世界的なスーパーモデルのミランダ・カーが、美容のために毎日摂取していることで話題になったココナッツオイル。美容に効果があるだけではなく、認知症を防いでくれたり、免疫力を高めたりとその優れた効能が話題になっています。

そんな万能なココナッツオイルですが、どうやって使ったら良いのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。ここでは、ココナッツオイルの特徴と正しい使い方について解説します。

お肌への効果

ココナッツオイルとはどのようなオイルなのでしょうか。また、具体的にどのような効能があるのでしょうか。

ココナッツオイルは、アフリカや東南アジア、中南米などの熱帯地方で採取されるヤシの実から作られる植物性のオイルです。栄養価が高く、ビタミンEやミネラル、ラウリン酸などの栄養分が豊富に含まれ、肌を保湿したり、体の中に取り入れて代謝や免疫力を高めたりする働きがあります。

ココナッツオイルは、今話題の中鎖脂肪酸です。中鎖脂肪酸は、長鎖脂肪酸(ほとんどの植物油がこれに含まれます)に比べると分子の長さが約半分と小さく、そのため分解がされやすいのです。ココナッツオイルがダイエットに用いられるのはこのためです。

分子が小さいため、お肌への浸透も良く、べたつかずさらっとした使用感のオイルです。

効果1.保湿効果

現在販売されている化粧品のほとんどには、グリセリンが使われています。グリセリンは、高い保湿効果があり、肌の奥まで浸透して、柔らかいしっとりとした肌に導いてくれます。また、医薬品や食品添加物としても使われている、安全性の高い成分です。

グリセリンは、植物や動物など自然界に存在するものの多くがもともと持っている成分であり、もちろん人間の体内にもあります。一般に使用されているグリセリンには化学的に合成されたものと天然由来のものがありますが、天然由来グリセリンの主な原料となっているのがココナッツオイルなのです。

つまり、ココナッツオイルを使うことで、肌がしっかりと保湿され、潤っていくのです。

効果2.ニキビ予防

ラウリン酸という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ラウリン酸は、免疫力を高め、細菌などへの感染から身を守ってくれるものです。

自然界の中で、このラウリン酸を豊富に含んでいるのは、母乳とココナッツオイルだけです。

生まれたての赤ちゃんに母乳を与えると、免疫力がつき、病気にかかりにくくなるという話を聞いたことがあると思います。これは、母乳に含まれるラウリン酸の働きなのです。

ココナッツオイルには、このラウリン酸が多く含まれています。そのため、皮膚に塗るとアクネ菌や皮膚に常在する黄色ブドウ球菌などの菌を減らし、ニキビを防いでくれるのです。

効果3.紫外線予防

ココナッツオイルにはビタミンEも豊富に含まれています。ビタミンEに含まれるトコトリエノールは、紫外線による皮膚障害を防いでくれるという実験結果が出ています。これは、トコトリエノールが強い抗酸化作用を持ち、メラニンの生成を抑制するからです。

また、トコトリエノールには紫外線の20%を防いでくれるという報告もあります。

効果4.アンチエイジング

紫外線がお肌を老化させることはよく知られていますが、なぜ紫外線によって肌が老化していくのでしょうか。

紫外線を浴びると、細胞の中で活性酸素が大量に作られます。活性酸素は、本来ならば体の中に入ってきた細菌やウィルスと戦うものです。しかし、活性酸素が増えすぎると、自らの細胞を攻撃し始め、酸化させていきます。

老化を防止するためには、この活性酸素の働きを抑制することが大切です。

ココナッツオイルに含まれる飽和脂肪酸やビタミンEには、強い抗酸化作用があります。さらに、ココナッツオイルの中鎖脂肪酸が分解される段階でケトン体と呼ばれる物質が発生します。ケトン体は細胞の働きを活発にし、やはり活性酸素の働きを抑えてくれます。

また、認知症の予防にココナッツオイルが効くという話をご存知の方も多いでしょう。これも、中鎖脂肪酸が分解されるときにできるケトン体のおかげなのです。

アルツハイマー病などになると、脳がエネルギー源としてブドウ糖を使うことができません。しかし、このケトン体なら、ブドウ糖の代わりとして脳のエネルギー源になることができます。このことにより、認知症の改善が期待できるのです。

このようなことから、ココナッツオイルは老化防止に効果があると言えるのです。

効果5.アレルギーの改善

ココナッツオイルに含まれるラウリン酸が、免疫力を高めて肌を殺菌し、ニキビを予防してくれることは先に書いた通りです。

同じ理由から、ココナッツオイルはアトピー性皮膚炎にも効果を発揮します。アトピー性皮膚炎の症状は、肌に常在している黄色ブドウ球菌が原因となっています。ラウリン酸は、この黄色ブドウ球菌の働きを弱め、皮膚症状を和らげてくれます。

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お肌への使い方

実際にココナッツオイルを使ってスキンケアをする場合、具体的にはどのような使い方をすれば良いのでしょう。その効果を最大限に発揮できるよう、正しい使い方を知って実践しましょう。

洗顔剤として使う

・ココナッツオイルの量:小さじ1杯程度

(1)ココナッツオイルを手に取って肌に優しく馴染ませます。
(2)ぬるま湯で洗い流すか、温めた蒸しタオルで優しく拭き取ります。
(3)いつも使っている洗顔料を泡立てて、顔を洗います。

保湿する

・ココナッツオイルの量:小さじ1杯程度
・ハチミツ:小さじ1杯程度(好みに合わせて使用して下さい)

(1)ココナッツオイルを小皿に入れて、ハチミツを加えます。
(2)1でできたものを顔に塗り約15分放置します。
(3)ぬるめのお湯で優しく洗い流しましょう。

保湿する時は、入浴中やお肌が柔らかくなっている入浴後などに行うのが効果的です。

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食事などに取り入れて摂取する

ココナッツオイルは、食物として摂取しても効果を発揮してくれます。もちろん、スプーンですくってそのまま飲んでも良いのですが、お料理に使ったりコーヒーに入れて飲んだりと、いろいろな食べ方があります。

コーヒーに入れる

ココナッツオイルの量:小さじ1杯程度
コーヒー:カップ1杯

ココナッツオイルとコーヒーを、ミキサーやフードプロセッサーで十分に攪拌します。攪拌が面倒だと言う方は、コーヒーにそのままオイルを垂らして飲んでもOKです。

ココナッツツちんすこう

薄力粉:100g
ココナッツツシュガー:40g
エキストラバージンココナッツオイル:40g

(1)薄力粉をボウルにふるい入れ、ココナッツツシュガーを混ぜ合わせる。
(2)(1)にエキストラバージンココナッツオイルを液体状にしたものを少しずつ加え、よく混ぜ合わせる。
(3)(2)の生地を16等分して、球形に丸める。
(4)150℃のオーブンで30分焼く。

無限ピーマン

ピーマン:6個
シーチキン(オイル漬け):70g
鶏がらスープのもと:大さじ1
しょうゆ:大さじ1
こしょう:1つまみ
エキストラバージンココナッツオイル:大さじ1
白ごま:大さじ1
かつお節:5g

(1)ピーマンは種を取り、5mmくらいの輪切りにします。
(2)耐熱容器に、白ゴマとかつお節以外の材料をすべて入れ、軽く混ぜ合わせます。
(3)ラップをして、500Wの電子レンジで3分加熱します。
(4)白ゴマとかつお節を加えて、よく混ぜ合わせます。

参考 https://cookpad.com/recipe/4113376

ココナッツオイルの香りが苦手な方は

ココナッツオイルには独特の甘い香りがあります。この香りが苦手で、スキンケアならまだしも、食べるのには抵抗があるという方も結構多くいらっしゃいます。

そのような方は、カレーを作るときにココナッツオイルを加えて煮込んでみてはいかがでしょうか。もともと、東南アジアでは、カレーの材料としてココナッツミルクがよく使われています。カレーとココナッツオイルはもともと相性が良いのです。

または、お菓子の材料として使えば、あの甘い香りもそれほど気になりません。

それでも、やはりどうしても無理だという方のために、最近では無味無臭のココナッツオイルも販売されています。無味無臭タイプのものは、もちろん精製されてありますので、バージンココナッツオイルに比べると多少は効能面で劣るかもしれませんが、他の植物油に比べるとずっと良いと言えるでしょう。

まとめ

ココナッツオイルには精製ココナッツオイルと、非加熱抽出のバージンココナッツオイルがあります。精製ココナッツオイルは工場高温精製され、脱色や脱臭などの処理がされてあり、含まれるラウリン酸はかなり減ってしまいます。精製ココナッツオイルはバージンココナッツオイルよりも値段が安く、表示にもRBDと書かれてあるのですぐにわかります。

また、市販されているココナッツオイルには食用とスキンケア用の2種類がありますので、購入する際には目的に合ったものを選ぶようにしてください。

ココナッツオイルで肌の手入れをしたり、食事で摂取したりすることで、体の内側も外側もきれいにすることができます。使い方もとてもシンプルなので、今日からでも始められます。ぜひ、ココナッツオイルをもっと生活の中に取り入れて、理想的な美肌を手に入れてください。