カリウムたっぷりの「冬瓜」に含まれる栄養素と体への効果
冬まで保存が可能な野菜として、古くからおなじみの冬瓜の栄養や効能に注目が集まっています。見た目はキュウリを大きくしたような形で、白い実には栄養があるのかよく分からない、といった印象があるのではないでしょうか。実はこの冬瓜には、長期間保存できる野菜というだけでなく、豊富な栄養を含んでいるのです。健康食としても注目されている冬瓜の体への効果について、詳しくご紹介します。

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「冬瓜(とうがん)」とは?

冬瓜は東南アジアが原産のウリ科の野菜です。日本でも古くから栽培されており、丸みのあるマルトウガンや楕円で長いナガトウガンといった品種があります。大きなものでは10kgを超えるものもあり、逆に小さく2kg程度の手軽なものもあります。元々は沖縄で栽培されており、現在では関東以南の暖かい地域で多く栽培されています。

冬瓜は冬の瓜という字を書きますが、実際の旬は夏で、6月から9月の間に収穫されます。名前の由来は、冬まで保存ができる貯蔵性の高い野菜ということから来ていますが、実際にはそれほど長期間保存できるというわけではありません。それでも丈夫な皮のおかげで2,3ヶ月はもつのが冬瓜なのです。

カリウムたっぷりの「冬瓜」に含まれる栄養素と体への効果

冬瓜に含まれる栄養素と効果

冬瓜のほとんど、約95%が水分です。そのためカロリーも100gあたり16kcalと低カロリーです。さらに冬瓜にはカリウムとビタミンCが豊富で、これが健康や美容の効果があるとして注目されているのです。

むくみの解消

冬瓜に含まれているカリウムは、細胞の内側の液内に存在していて、外液に含まれているナトリウムとバランスを保って存在しています。ナトリウムが増えすぎるとカリウムがナトリウムを排出するように働きかけるのです。さらにカリウムには利尿作用があり、体に溜め込まれた余分な水分を体から排出させ、むくみを改善します。

便秘の解消

冬瓜に含まれる食物繊維は、他の野菜より飛び抜けて多くあるというわけではありません。ただし冬瓜には、不溶性の食物繊維と水溶性の食物繊維がバランス良く含まれているのです。野菜に含まれる食物繊維は、不溶性のものが多く、便秘の解消にはつながりますが、食べ過ぎると便を硬くして逆に悪化させることがあります。便秘の解消には水溶性の食物繊維が1に対して、不溶性の食物繊維は2の割合で摂取するのが理想とされていますが、冬瓜はこのバランスで食物繊維が含まれているのです。

免疫力をアップさせる

冬瓜にはビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCには、免疫力をアップさせる効果があり、風邪の予防にも役立ちます。さらに冬瓜は消化が良いため、胃腸が弱っているときに食べるべき野菜の一つです。

夏バテの解消

水分の多い冬瓜は体を冷やす働きがあり、夏バテの解消に役立ちます。特に夏は汗でカリウム不足になりがちなので、冬瓜を食べることで食欲を回復し、疲れを取ることにもつながります。

脂肪の吸収を抑える効果

冬瓜にはサポニンという成分が含まれています。サポニンは植物に多く含まれる成分で、中性脂肪を分解し、血栓をつくる原因となる過酸化脂質の生成を抑える働きがあります。この他、糖や脂肪の吸収を抑える働きもあるのです。さらに血行を改善して、高血圧の予防や、血行が低下することで起きる冷え性を予防する働きもあります。

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冬瓜の食べ方

冬瓜は基本的には生ではなく、下ゆでをした状態で調理に使います。店頭では丸ごとか、カットした状態で販売されています。丸ごとの場合は、冷暗所で保存が可能ですが、カットされたものの場合は、早めに調理するのがおすすめです。

冬瓜の下処理の仕方

1.冬瓜をカットする
半分かさらに半分に切って4分の1にするとわたや種が取りやすくなります。
2.スプーンでわたと種を取る
実が固い場合は包丁を使います。
3.皮をむく
固いので、包丁かピーラーで皮をむきます。厚く切ると下ゆでをしたときに柔らかくなります。薄めにむくと冬瓜の緑色がのこり、彩りがでます。

皮の部分は千切りにしてきんぴらに、わたと種はそのまま味噌汁の実にして食べることができます。また種は乾燥させて煎って食べることもできます。

冬瓜の下ゆでの方法

冬瓜を食べやすい大きさに切り、面取りをします。さらに皮の部分が固い場合には、切り込みを入れておくと味がしみこみやすくなります。

冬瓜を鍋に入れて、かぶるほどの水を入れてから火にかけます。沸騰してから5分ほどそのまま茹でたら下ゆでは完了です。

冬瓜はそのままだとアクや苦みが強いため、必ず下ゆでをしてから使いましょう。煮物や炒め物、スープや味噌汁、揚げ浸しなどにも使えます。

ただし煮物にする場合は、下ゆでせずにそのまま煮ても問題はありません。下ゆでをした方が口当たりも良いのですが、準備に時間がかかりますのでカットしてそのまま煮ましょう。ただし離乳食に使う場合は、下ゆでをした方が食べやすく柔らかくなります。

砂糖と水を使って煮ると、デザートとして食べることもできますので、フルーツと一緒に食べるのもいいでしょう。

カリウムたっぷりの「冬瓜」に含まれる栄養素と体への効果

冬瓜を食べる際の注意点

冬瓜は夏野菜のため、体を冷やす効能があります。食べやすい食材ですが、食べ過ぎには十分注意が必要です。妊婦の方、冷え性の方は食べる際には温かいスープにするか、体を温める効能のある食材や調味料を使って調理するようにしましょう。

また腎臓に疾患がある人、腎臓が弱い人は、冬瓜を食べ過ぎると高カリウム血症になる可能性があります。心配な場合は病院で確認してもらいましょう。体に優しい冬瓜ですが、どちらにしても食べ過ぎると体にはあまり良くありませんので、注意が必要です。