皮膚に存在する主な4つの「常在菌」とそれぞれの役割
私たちのお肌には常在菌と呼ばれる菌があり、常在菌のバランスでお肌の調子が変化していきます。現在、乾燥などお肌のトラブルを抱えている方は、皮膚常在菌のバランスが乱れている可能性があります。

今回はその種類や役割についてご紹介していきます。美肌を目指すためにも、ぜひ知識として知っておきましょうね。


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そもそも「皮膚常在菌」って何?

私たちのお肌や体内には実に100兆もの菌が存在していると言われています。菌と聞くマイナスのイメージを持つかもしれませんが、常在菌は菌のバランスによってお肌に良い影響や悪い影響を与えます。

つまり、お肌の調子が良い美肌の状態に近づけるには常在菌のバランスを整える必要があるということになりますね。

皮膚に存在する主な4つの「常在菌」とそれぞれの役割

皮膚常在菌の主な種類

1,表皮ブドウ球菌

多数の皮膚常在菌の中でも、私たちが良く知っている常在菌は主に4つに分類でき、そのうちの1つが表皮ブドウ球菌です。

表皮ブドウ球菌は美肌菌とも呼ばれており、お肌の表面に生息し私たちの皮脂をエサにしています。表皮ブドウ球菌は悪玉菌と呼ばれる、黄色ブドウ球菌の働きを抑制する作用があるため、美肌に欠かせない存在といえるでしょう。

2,黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌は悪玉菌とも呼ばれ、数が多くなると肌トラブルを引き起こす原因となります。

黄色ブドウ球菌は健康な状態でも喉や鼻の中に多数存在しており、この菌が作り出す毒素が食中毒の原因となることでもよく知られています。

3,アクネ菌

アクネ菌はニキビの原因ともいわれている常在菌の1つですが、本来はお肌の潤いを保つ働きをしています。

しかし、ストレスや食生活の乱れといった要素が重なることで毛穴に皮脂が詰まりやすい状態になると、アクネ菌も増殖しその刺激によってニキビ等の肌トラブルにつながると言われています。

4,マラセチア菌

マラセチア菌は通常健康な状態であればお肌に影響を与えることがないと言われている酵母菌の1つです。

しかし、菌が増殖することでアトピー性皮膚炎が悪化してしまったりふけの原因につながります。

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皮膚常在菌の役割

善玉菌の役割

皮膚常在菌の善玉菌は、空気を好む性質がありお肌の表面にいます。皮脂をエサとし、お肌の表面を弱酸性に保つことでお肌のバリア機能を支えるという重要な役割があります。

バリア機能を維持することで雑菌の侵入を防ぎ、保湿を保つ美肌に欠かすことのできない存在となっています。汗をかくことで善玉菌の動きが活発になると言われているため、定期的に運動を行ない汗をかく習慣を身につけましょう。

日和見菌の役割

日和見菌の代表にアクネ菌があります。ニキビの原因としてその名が知られていますが、日和見菌は数が大量にならなければ健康な肌を作る善玉菌としての役割をしてくれる優れものです。

食生活やホルモンバランスの乱れで過剰増殖すると悪影響が出てくるため、注意しましょう。

悪玉菌の役割

悪玉菌の代表として黄色ブドウ球菌があります。悪玉菌はお肌の調子が良いときも存在していますが、少数であれば問題になることはないと言われています。

しかし、お肌がアルカリ性に近づき善玉菌が減少すると一気に悪玉菌が増殖し、痒みなどの肌トラブルが起こりやすくなります。

皮膚に存在する主な4つの「常在菌」とそれぞれの役割

美肌菌を増やす方法

汗をかいて代謝アップ

美肌菌でもある善玉菌は皮脂をエサとしていますが、汗をかくことでも活性化させることができます。

適度な運動で汗をかくことで代謝もアップし、体温も上昇するため善玉菌が活発に動きやすくなりますよ。

腸内環境の改善

意外に思うかもしれませんが腸内環境と美肌は密接な関係にあります。便秘などが続き腸に老廃物が蓄積されると肌トラブルにつながります。

善玉菌を活性化させ増やすためにも、腸内環境の改善に効果的とされる納豆などの発酵食品を積極的に摂取することもおすすめですよ。

冷えを改善

冷えがあると代謝が低下し、菌の動きも鈍くなってしまいます。冷えを改善し、代謝をアップさせることで善玉菌の活性化だけでなく、様々な健康効果も感じることができるため、一石二鳥ですよ。

良質な睡眠

一般的に22:00~2:00の時間帯は成長ホルモンが分泌されるお肌のゴールデンタイムと言われています。この時間帯に熟睡することでお肌のキメが整えられたり美肌効果も期待できます。

寝る直前までスマホやパソコンの画面を見るのは控え、部屋を暗くしリラックスした状態で眠りに入れるように心がけましょう。

室内の湿度も意識

日中過ごす室内や寝室の湿度調整も忘れてはいけません。善玉菌が活性化しやすい湿度は60%前後と言われています。

加湿器などを利用して湿度を調整しましょう。加湿器がない場合も、濡れたタオルを干すだけでも加湿代わりになり、風邪予防にもつながりますよ。

皮膚常在菌は大きく分けて4種類あり、常在菌のバランスによってお肌の調子が左右されます。

美肌を目指すためにも、善玉菌が活性化しやすい環境を整えるように心がけましょう。お肌だけでなく、健康的な生活が送れるとより毎日をイキイキと過ごすことができるでしょう。