栄養価の高さから、未来の穀物として注目されているスーパーフードの一つであるアマランサス。ダイエットにもおすすめともいわれるアマランサスには、一体どんな栄養と効能があるのでしょうか。今回はアマランサスが持つ体への効果と、ダイエットで結果を出すために知っておきたい取り入れ方について、詳しくご紹介します。
「アマランサス」とは？
アマランサスは南米が原産の植物で、その種子を食べます。古代インカで食べられていたという古い歴史を持ち、日本でも江戸時代に伝わり、アカアワと呼ばれていました。イネ科のヒエやアワに似ていますが、実際はヒユ科という双子葉植物で、疑似穀物として分類されている植物です。
雑穀ブームで広く知られるようになったアマランサスは、栄養価が高いことからハリウッドセレブが多く取り入れており、豊富な栄養以外にも少量で満腹感が得られることから、ダイエットにも効果があるとして注目されています。
雑穀は一般的に硬く、食べづらいものがほとんどですが、アマランサスは種子を覆う皮が柔らかいため、皮ごと食べることができます。栄養が一番多く集まる皮の部分を食べることができるアマランサスは、アレルギーもないため、未来の穀物とWHOで称されるなど、注目されている新たなスーパーフードなのです。
アマランサスの効果
アマランサスのカロリーは白米などの穀物と変わりはありませんが、その栄養価は群を抜いています。その栄養と効果について、詳しくご紹介します。
1．貧血の予防と改善
アマランサスに含まれる鉄分は、精白米の約50倍あります。月経があるため女性は鉄分が不足しやすく、貧血になりがちですが、アマランサスを食べることで貧血予防になるほか、血行の改善にも効果があります。
2．便秘の解消と腸内環境の改善
アマランサスには食物繊維が豊富で、精白米の約8倍含まれています。食物繊維は腸内で老廃物や毒素を絡め取って体外に排出する働き、便をかさ増しする働き、そして腸内細菌のエサになる働きがあります。便秘を解消し、腸内環境を整えることで、腸の働きを正常に戻す効果があります。
3．骨や肌を健康に保つ
アマランサスにはカルシウムが精白米の約30倍、さらにマグネシウムが約12倍含まれています。カルシウムはマグネシウムと一緒で骨の生成に関わっているほか、自律神経を整えます。さらにマグネシウムには、血行を良くして、血圧を安定させる効果があり、皮膚や粘膜の新陳代謝を助けます。
4．利尿作用によるむくみの改善
アマランサスに含まれるカリウムには、細胞内の塩分量を調節し、不要な水分を排出する利尿作用があります。高血圧を予防し、むくみを改善して冷え性を改善する効果があります。
5．脂肪を燃焼させる
アマランサスには必須アミノ酸の一つ、リジンが含まれています。リジンには、脂肪分解作用のある酵素リパーゼの働きを促進し、脂肪を燃焼する役割があります。リジンは米や小麦粉には含まれておらず、動物性タンパク質に多く含まれているので、肉を食べ過ぎないようにするためにも、アマランサスを食べることでダイエット効果が期待できます。
6．コレステロールを下げる
植物由来の植物ステロールが豊富に含まれているため、コレステロール値を低下させる効果があります。悪玉コレステロールだけに効果があるため、中性脂肪や善玉コレステロールには影響がありません。
7．美容効果
アマランサスには多くのビタミンも含まれていますが、特に美容効果のある、抗酸化作用のあるビタミンCとビタミンEが豊富です。さらに必須アミノ酸のリジンにも肌の糖化を防ぐアンチエイジングの効果があります。
8．代謝を活性化する
アマランサスに含まれる脂肪には、スクアレンがあります。オリーブオイルや鮫の肝油に含まれているもので、ビタミンAとビタミンDという代謝を活性化するビタミンが豊富です。美肌にも効果があるとされています。
さらにアマランサスはグルテンフリーであるため、血糖値が急上昇することなく、ダイエットだけでなく生活習慣病予防にも大きな効果を発揮してくれるのです。
ダイエットへの取り入れ方
見た目は小さなゴマに似ていて、ご飯と同じように炊くことができます。ダイエットに取り入れるなら、ご飯の代わりに置き換える方法がおすすめです。
ただし最初からアマランサスだけを食べるよりも、ご飯に混ぜて炊くといいでしょう。お米1合に対し、アマランサスを大さじ1杯入れて炊きます。もしくは沸騰したお湯にアマランサスを入れ、6分から8分程度ゆでて、湯切りをしてからスープや煮物に混ぜる方法もあります。
水を含むとアマランサスは魚卵のようにプチプチとした食感になるので、サラダに混ぜたりご飯のおかずにしても美味しく食べることができます。
アマランサスを食べる際の注意点
アマランサスは栄養価の高い食品ですが、食べる際にはいくつか注意点があります。
お米とは別に洗う
アマランサスは小さな粒なので、ゴミや小さな石が混じっていることがあります。お米とは別に茶こしなどに入れてしっかり洗うようにしましょう。
1日に食べたい量はカップ1杯分
アマランサスの栄養をしっかり取り入れるには、1日1カップ程度摂取するのが理想ですが、あまり味がないので他の料理に入れる、もしくは混ぜるといった工夫が必要です。もしくはアマランサスとその量の3倍分の水でふやかしたアマランサスを、団子にする方法もあります。冷凍保存ができますので、下ごしらえだけして、毎日のスープやお味噌汁の具にしましょう。
ただ、お米と同程度のカロリーがありますので、食べ過ぎには注意が必要です。ダイエットなどで不足しがちな栄養がたくさん詰まっているアマランサスを、上手に毎日の食事に取り入れていきましょう。
