背中を触るとブツブツを感じることはありませんか?ニキビかな?と放置しがちな背中のブツブツはもしからしたらカビかもしれません。カビといえばお風呂場など湿気が多いところに発生するイメージがあると思いますが、人体に発生するカビもあります。背中のブツブツの原因、マラセチア菌についてご紹介しましょう。
マラセチア菌とは?
マラセチア菌というカビをご存知でしょうか。
あまり耳慣れないため、聞いたことがない方も多いと思います。
ですがマラセチア菌は珍しい菌などではなく、誰の肌の上にも存在している菌で、ボーリングのピンのような形のカビの一種です。
マラセチア菌は皮脂を好むため、皮脂腺がある部分で増殖していきます。
例えば頭部や胸、背中、わきの下、鼻といった脂っこくなりやすい部分ですね。
カビの一種のマラセチア菌は湿気が多くなる梅雨から夏にかけて増殖しやすくなります。
ですから、病院でも梅雨から夏にかけては、マラセチア菌を原因とする炎症を訴える患者さんが増えるようです。
マラセチア菌は外耳炎や脂漏性皮膚炎の原因になり、頭部で増殖してしまうと老廃物が毛穴をふさいでしまい抜け毛を助長し、脂漏性脱毛症になることがあります。
常在菌とは
人間の肌にはマラセチア菌をはじめ常在菌というものが存在しています。
もちろん見た目には何も見えませんが、非常にたくさんの菌と私たちは共存しているのです。
肌の上に存在している菌を常在菌といいます。
菌が肌の上に存在するというとマイナスイメージを持つ方もいるかもしれませんが、常在菌がいるからこそ肌は弱酸性に保たれ、雑菌から守られています。
常在菌は人間にとって必要な存在なのです。
常在菌の多さには個人差があるようですが、メイクをする女性の顔は防腐剤の影響により常在菌が少ないようです。
マラセチア菌が増える原因
マラセチア菌は誰の肌にもいる常在菌です。
その菌はどうして増殖して炎症を起こさせるのでしょうか。
マラセチア菌は皮脂を好み、主に皮脂腺上で増殖していきます。
ですから、過剰に皮脂が分泌されるとどんどんと増殖していきます。
皮脂が過剰に分泌される原因としては、梅雨や夏などの汗をかきやすいという時期的なもの以外にも過労やストレス、脂っこいものの食べ過ぎ、睡眠不足など生活習慣の乱れがあげられます。
そして使用しているスキンケアや抗生剤、ステロイド剤などによって皮脂が増えることでも増殖します。
マラセチア菌による炎症を予防する方法
マラセチア菌は常在菌ですから、完全に取り除くことはできません。
ですからいかに増殖させないかが、炎症や湿疹予防につながります。
マラセチア菌は皮脂を好むため、皮脂を減らすことがもっとも大切です。
すぐにできる対策としては、汗をかいたときにすぐ拭き取ることが大切です。
マラセチア菌は皮脂以外にも、普通のカビと同様に湿気があるところも好みます。
ですから、汗をかくと増殖しやすくなるのです。
できるだけ肌を清潔に保ちましょう。
またマラセチア菌の増殖予防を目的としたボディシャンプーなども販売されているので、そういったものを利用するのも良いでしょう。
そして肌を清潔にすると同時に、体を拭くタオルも清潔にしなければなりません。
バスタオルやフェイスタオルには皮脂が残っているので、何度も使いまわしせずに毎日交換しましょう。
タオルだけでなく、毎日使う寝具も清潔に保つよう意識しましょう。
パジャマを毎日洗濯するのはもちろん、シーツなどの寝具カバーもマメに洗濯してください。
マラセチア菌は犬をはじめとする動物にも存在しています。
ペットとの接触が多すぎると、ブツブツができることもありますから、ペットを飼っている方は気を付けましょう。
背中のブツブツ対処法
背中にできるブツブツはニキビの可能性もありますし、マラセチア菌が原因の湿疹や炎症の可能性もあります。
見た目はニキビもマラセチア菌が原因の湿疹も似ていますから、ぱっと見て判断するのは難しいです。
毛穴の周りに赤みがあったり、かさぶたができているようならニキビではなくマラセチア菌が原因の可能性があります。
そしてニキビよりも小さなブツブツが広範囲にわたってできることも特徴です。
マラセチア菌が原因の湿疹は放置しても自然に治ることは少ないため、疑わしい場合は皮膚科を受診してください。
皮膚科を受診せずに自分で治したい場合には、マラセチア菌の増殖を予防する抗カビ成分配合の専用ボディシャンプーを使ってみましょう。
アクネ菌にも効果がある成分が配合されているものもありますから、ブツブツの原因がわからないときにも良さそうですね。
背中はニキビができやすい部位です。
ニキビを疑っていろいろなニキビケアを続けても、改善されない、効果が見られない場合は、ニキビでなくマラセチア菌が原因の炎症や湿疹の可能性があります。
特に肌質がオイリーの方や汗かきの方はマラセチア菌が増殖しやすいため、できるだけ肌を清潔にするなど意識して増殖を予防しましょう。