「筋肉痛解消にストレッチ」はアリ?効果的な治し方6つ
運動をした後に起きる筋肉痛。痛みを解消するためにストレッチをする方法もありますが、筋肉痛は筋肉が痛んでいるため、ストレッチが逆効果になることもあります。痛みを早く解消するために、すぐできる治し方や筋肉痛を予防する方法について、詳しくご紹介します。


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筋肉痛のメカニズム

筋肉痛がなぜ起きるか、その詳しいメカニズムについてはまだはっきりとしたことは分かっていませんが、運動をした数時間後、もしくは翌日や翌々日など、運動をしてしばらくしてから起きる痛みのことを筋肉痛といいます。

筋肉痛が起きるのは、普段使わない筋肉を使った場合と、筋肉に力を入れて伸ばす運動をした場合などが考えられます。筋肉は伸ばす時のほうが負荷が大きくなるためです。普段運動をする習慣が少ない人や、筋トレをしていても慣れないストレッチなどをおこなった場合には、筋肉痛が起こりやすくなるともいえます。さらに筋肉痛には2つの原因が考えられます。

乳酸など疲労物質によるもの

運動をすると急激にエネルギーが必要となりますが、酸素などが不足し、ブドウ糖がエネルギーに分解されないまま不完全燃焼を起こし、乳酸となって筋肉に蓄積していきます。この乳酸が筋肉を固くしてしまうことで、炎症が起き、筋肉痛が起きると考えられます。

筋肉の損傷によるもの

筋肉を使った際に筋肉の内部にある筋繊維と呼ばれる筋肉を構成する線維や、筋肉を結合している組織に傷がつき、その損傷を治す過程で起きる炎症が、筋肉を刺激することで痛みが起き、修復を促していると考えられます。

これらの原因に加え、普段から筋肉をよく動かしていれば、筋肉に血液を送るために必要となる毛細血管が発達しますが、そうでない場合は毛細血管が十分に発達していないため、筋肉に損傷が起きても、なかなか血液が届かず、修復に時間がかかってしまいます。普段からトレーニングをおこなっていれば、筋肉痛が起きてもすぐに回復するため、それほど痛みを感じないのです。

「筋肉痛解消にストレッチ」はアリ?効果的な治し方6つ

ストレッチをしない方が良い筋肉痛

筋肉痛になった場合、また筋肉痛を予防するために、運動の前後にストレッチをおこなうことが有効だといわれ、実践してきた人は多いのではないでしょうか。確かに怪我を予防するために、ストレッチは必要ですが、ストレッチをすることでかえって筋肉痛が悪化することもあるため、注意が必要です。

ストレッチをしてはいけない筋肉痛

・熱を持っている
・痛みがある
・体を動かすことができない痛みがある
・痛みがあり、ストレッチをしようとしても体勢が整わない

こういった状態の時には、ストレッチではなく炎症を取り、休息を取ることを優先しましょう。

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筋肉痛の効果的な治し方

筋肉痛を早く治すためには、無理に体を動かすことはやめ、筋肉の修復を促進させることが必要です。

1.しっかりと休息する

筋肉痛がある時には、しっかり睡眠を取りましょう。筋肉痛がある時のトレーニングはやめて、ヨガなどの有酸素運動など軽めの運動をするようにします。睡眠をしっかり取ることで、成長ホルモンが分泌され、筋肉の修復が促進されます。

3.筋肉痛を起こしている部分を冷やす

炎症を起こしている場合は、まず冷やすことが大切です。アイシングは冷やし続けて感覚がなくなってきたら止め、感覚が戻ってきたらまた冷やします。だいたい15分から20分が冷やす目安です。その後1時間から2時間ほど間をあけてまた冷やす、を1日程度続けます。アイシング剤を直接皮膚に付けないよう注意してくださいね。

3.ぬるめのお湯に浸かる

筋肉痛になって炎症がある場合は、アイシングで患部を冷やすことが大切ですが、冷やしすぎると体内の循環が悪くなるので、お風呂で筋肉を温めてほぐします。ただし熱いお湯ではなく、温めのお湯にゆっくり浸かるようにしましょう。

4.筋膜をほぐす

筋繊維を包んでいる筋膜を伸ばすことで、筋肉痛がやわらぎます。ストレッチとは違い、広い面を押し伸ばすので、運動後にやるようにすることで、予防にもなります。

背面の筋膜を伸ばすほぐし方

1.仰向けに横になり、両手を左右に広げます。足は膝を曲げます。
2.左手で揃えた膝の右側を抑え、左側に倒します。顔は右に向けます。
3.ゆっくりと腰をねじるように足を倒し、気持ちよさを感じるところでそのまま10秒キープします。
4.反対側も同じようにおこないます。

筋肉痛がある場合は、痛みを感じている場所をふくむ全体をゆっくり伸ばすようにほぐします。

5.栄養を補給する

筋肉を作るたんぱく質を中心に、しっかり栄養バランスの取れた食事をしましょう。栄養を補給することで代謝が活発になり、筋肉の修復を助けることにつながります。また水分補給をしっかりすることで、血液の循環をよくすることも大切です。

6.ゆっくりとストレッチをする

筋肉痛の痛みが取れてきたら、ストレッチで体を動かすようにしましょう。筋肉痛だからといって、何もしないままでいると、また筋力が低下してしまいます。ただし無理はせず、水泳やウォーキングなど、体に負担がかからないものから始めるようにしましょう。

筋肉痛を予防する方法はある?

筋肉を鍛えるためには、筋肉痛にならないようにする、というのはまず無理な話です。ただし日頃からきちんとトレーニングをしていれば、痛みがそれほどひどくならず、また筋肉痛からの回復も早くなります。

筋肉痛を予防するためにも、日頃から体を動かすことが必要です。

運動の習慣を身につける

毎日が無理でも、週に2、3回でもウォーキングやストレッチなどをするようにしましょう。週に1度だけハードな筋トレをするということを繰り返すと、体に負担となるだけでなく、怪我につながる可能性もあります。

運動前後にストレッチをおこなう

運動前にしっかり体をほぐすだけでなく、運動後のクールダウンを忘れないようにしましょう。体を動かした後は、軽くランニングするなどして、ゆっくりと体を冷やしていくことが必要です。

さらに運動をする際には、水分補給や栄養補給をしっかりして、筋肉の回復を手助けすることも筋肉痛になりにくい体作りにつながります。